ブルンジは安全だ。
首都を見て、また北から首都まで旅してそう確信していた。
もちろん検問はたくさんあった。でも検問があればあるほど安全だと思うのだ、こういう国って。
しかしその考えを訂正せざるを得ない。
それは首都ブジュンブラを後にしてタンザニア国境に向かう日のこと。
南へ向かうミニバスは、出発後30分ほどで通行止めにあった。
すでに車が3.40台列になって止まっており、軍隊によって道路が閉鎖されていた。先頭の車は朝から3時間くらい待っているという。何の通行止めだろうと思い、呑気に車から降りて先頭に立つ軍人に聞いた、いつ頃通れるのかと。
「今、この先で、"スモールワー"をしているので、軍隊が行っているのだ。それがクリアになったら通れるようになる」
「ん!んんんんー?」
「戦争」という言葉が急に現実味を浴びてきた瞬間だった。ここはブラウン管の中でもなんでもない、実際に起こっている現在進行形の出来事なのである。
実際軍人の言ったように、30分くらいすると道は通れるようになった。軍隊が敵をクリアしたのだろうか。もちろんそんなとこ通りたくなかった。もはや自分の幸運を信じるしかない・・・
ミニバスの運転手に「ねーねー安全だよね、安全だよね」と悪あがきで何度も聞いた。いつもなら常にポジティブ思考のアフリカ人。しかし今日に限って答えは
「ノー」であった。しかも真顔・・・
軍人に一台一台車を調べられながら、その場所を後にしたが、道端には人気がない、道路脇の小さな家にはすべて南京錠がかけられていて、村にも人一人いない。ゴーストタウンである。そんな中、軍人だけがウロウロしている。正直薄気味悪かった。
突然「ババババババババ」というすごい音に驚けば、南アフリカの平和維持軍の軍用ヘリが近くを飛んでいた。
大好きな大好きなタンザニアに再入国できたとにきはホッとした。
やっぱ危ないとこに行っちゃいけないね。
ちなみにこの日は目的地のキゴマに辿り着くことなく、国境付近の電気もない村に止まった。久しぶりの「予想外」がなんだかうれしかった。
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