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01.誇り高きエチオピア
02.シミエン国立公園
03.入院!
04.悪の巣窟、ナイロビへ
05.おれたちゃマサイ!
06.赤道直下のケニア山
07.アフリカ大陸最高峰へ
08.アウトドアグッズマニア
09.偽札発見!悪徳ガイドにリベンジ
10.楽園
11.マリンディの悪夢・・・
12.悪の巣窟で停滞
13.密猟者が潜む山
14.ナイル川でラフティング
15.深夜の訪問者
16.黒人のホビット、ピグミーに会う
17.何を求めていたんだろう
18.大虐殺記念館
19.コンゴに行きたい!
20.内戦に遭遇

 
 
 
 

4. East Africa
mail_13 / 11th,APR,2003 @ Mubale : UGANDA
密猟者が潜む山

 

イギリスのチャーチルをもってして「アフリカの真珠」とまで言わしめた国、ウガンダ。入国2日目、僕らはこの国の第二峰である、エルゴン山を登っていた。
この国の自然は長い内戦によって壊滅的に破壊されてしまったと、いつか聞いたことがある。しかし、その自然も内戦の終結によって、部分的に戻ってきており、政情の安定によりツーリストも再びこの国を訪れるようになってきた。

このエルゴン山は読みの流れがよい4321mである。ケニアとウガンダの国境に跨り、最高峰はウガンダ側にある。
この山には「密猟者のいる山」と名前を付けた。
この山の住民はコロコロと変わってきた。遥か昔にはマサイの人々が暮らし、80年代には反政府軍や武装団のねぐら、そして今はバッファローやアンテロープを追う密猟者が潜んでいるのだ。
とはいってもここは今では国立公園、観光を重要な外貨資源と見る、新ウガンダ政府は登山者の来訪を歓迎している。
今回はエチオピアのシミエンに続き、銃をもったスコートを雇うことが義務付けられた。

1日目は小さな村の中を通る6時間のコース。標高を1800m上げた。今日は日曜日、小さな村にも教会がちゃんとあって、村人が集まっていた。ウガンダはキリスト教徒が多い。この山には観光客があまり来ていないのか、村人も子どももとってもフレンドリー。「マネーマネー」といわれることはない。
相変わらず子どもの「ムズング、ハアユー?」(白人こんにちは)というかけ声がかわいくてしょうがない。手を振ってくる子どもも、遠くからは平気なのに、いざ近づくと「マンマー」と泣いて逃げていく。その姿もまたかわいい。

とある村で、バーに村人が集まって中央に置いてある土製の壷から2mはあるストローで雑談をしながら何かを飲んでいる異様な光景に出くわす。一つの壷からストローが10本くらい出ていて、みんなでチューチューしてるのだ。ウェイター(?)らしき人が中身を頻繁に補充しにくる。聞くと、トウモロコシから作ったローカルなお酒だという。名称は「ウサラ」といった。

アブが冗談抜きで100匹以上たかってくる「アブの林」を抜け、森の中でキャンプ。

2日目
キャンプ場の間隔のせいで、今日は2時間半歩いて終了。
残念ながら、エルゴン山がすばらしいとは思えない。なぜならあたり一面焼け野原。遠くの方では煙が黙々とあがっていた。「密猟者」が火を付けているという。そのためにレンジャー小屋というのがあって銃を持ったレンジャーが7人見回りをしているらしいが、見る限り効果なし。

3日目
頂上へと向かう。
途中、前を歩いているガイドのマーティンが急に止まり、「密猟者がこの辺に潜んでいる」と言った。なんでわかるのかと聞くと、向こうからきた足跡がここで急に消えたと言う。僕たちを見て逃げたらしい。
すごい洞察力だ!
エチオピアのシミエン国立公園でも銃を持ったスコートが義務付けられていたけど、そのとき公園事務所になんで?って聞くと
「危ないというわけではなくて、それはアフリカの山だから」
と言われて妙に納得した覚えがある。そこは平和そのもので、スコートのアブラハムも陽気で銃なんて飾りみたいだった。
しかし、ここはつい最近まで武装団もいたウガンダの山。
昨日も、不法に伐採された木々を見つけると、「違法に山に入っている奴がいる」と呟いたマーティンはその手に持ったAK−47に弾を装填した。
「ジャキーン!!」
銃を持った人間との登山は決して喜ばしいものではないが、今回ばかりは頼もしい存在である。

頂上までの風景はまるでシミエン国立公園のそれと似ていた。巨大なグラウンドセルという木々が無数に聳え立っている。この植生はケニア山やキリマンジャロとかなり類似していて、今更ながら感動なし。
エルゴン山は火山である。外輪山に登ると、その眼下には世界で二番目に大きいという火口を拝む事ができる。しかし、世界で一番大きい火口は、先日訪れたタンザニアのンゴロンゴロクレーター。
ここでも「ふーん・・・」
そして頂上でも「ふーん・・・」
4321mの標高なんて、今更ながら何でもなかった。楽すぎた。
お金はケニア山よりも高いのに(5日間で125$=15000円)感動はケニア山よりもずっと下だ。何よりも半分以上の植物が焼けてしまって、黒い風景がいっそうイメージを悪くしている。
今ウガンダは雨季。毎日の雨も覚悟していたのに、地球規模の異常気象はここにも影を落とし、5日間まったく雨に降られることがなかった。

4・5日目
下山に費やした2日間「なるほど、世界で2番に大きいクレーターだ」と実感させられた。この山の裾野はキリマンジャロのそれよりも大きいという。
再度火口まで登り、ウガンダ一美しいと言われる「シピ滝」を目指して北西に下った。4日目の行程は9時間。最初の5時間、全く休まなかったのでいささか疲れた。
この日は、いまだ奥行きが解明されてないという「Titum Cave」でキャンプ。入り口は大きな空洞となっており、なかなかユニークなキャンプ場だなあと感激したら、夜は散々であった。

コウモリの声がうるさすぎて寝られないのである。

翌日シピ滝を眺める。
「ん、ん、どこどこ?」
ここでも水不足、滝からは水がチョピチョピ。日光の華厳の滝にあまりにも似ていた、そして日光の方がいい滝である。

帰りに公園のゲートで「感想を書いて」と、レンジャーの人に紙を渡された。日本に帰ってから、友達にエルゴン山を宣伝してねって言われたけど、正直者だもん「友達にはケニア山をお勧めしておく」と言ってしまった。
というわけで、ウガンダに限定せずに東アフリカで山を登ろうと思っている人、ケニア山に行こう!
料金も半額だ、外国人料金と名付けて、不当に高いお金を取るのはいいかげんに止めてほしい。ぷんぷん!

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