ナイル川源流の町、ジンジャに来た。
バスの車窓からはビクトリア湖が見える。ここから世界一長いナイル川が、スーダン、エジプトを通って地中海に注ぐのだ。6千キロの長い旅。
旅人がこのジンジャに来る目的は2つ。一つはビクトリア湖からナイル川に水が注ぐその源流を眺めるため、もう一つはラフティングである。
ウガンダのラフティングはあまり有名でないが、ここにはグレード5の瀬(小さな滝)が4つもあり、かなりエキサイティングなラフトが楽しめるのだ。残念なことに、ここに2005年にダムをつくる計画が進められており、この工事が着工してしまえばこのラフティングは永久にできなくなってしまうという。
ラフティング会社のバーには「ダム・サックス」というTシャツがあるし、ガイドはこの美しいナイル源流は世界遺産に指定されてもいいのに、と嘆く。本当に残念である。
もちろん僕もラフティングをした。日本には存在しないというグレード5の瀬。それを経験した後にこう思った。
「なんだ日本にもあるじゃん」
「滝だ・・・」
それほどまでにすごかった。グレード5だけじゃなくグレード3も4も無数にあるのだが、僕らの艇はチームワークが悪いのか、ことごとくボートがひっくり返ってはそのたびに天然の洗濯機で洗われた、それも「頑固汚れゴシゴシ洗い」モードで。
艇がひっくりかえる瞬間はまるでスローモーションの様。
瀬の前に来て、ガイドがその瀬についてブリーフィングをする。「左から流れがきて、そこではみんなで前漕ぎ、次にハードな前漕ぎ、そしてその後はロープに捕まって屈むんだ。」というように。
そんな説明があるから次にくる瀬が余計恐い。瀬の前では心臓がドキドキし、無我夢中で漕いでいる。でも流れに押されて次の瞬間体も船も空中を浮くのであった。
朝から夕方まで30Km進んだ。なかなかエキサイティングで楽しかった。しかもこれで65$とは格安なのではないだろうか。
今は町まで9kmのキャンプ場に泊まっているのだが、目の前には、これまたダムができたらなくなってしまう美しいブジュガリ滝があり、夜には蛍が飛び交う美しい場所である。
緑の国ウガンダ、本当に美しいところである。
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