ナイロビから、格安ツアーでかの有名なマサイマラに行った。一日一人50$。3日間という少ない日数だったが、絵に描いたような、想像の中のアフリカがそこにあった。大草原の中、ライオン、キリン、ゾウにチーター、ヒョウにガゼル、インパラなどなど、かなりの動物を見ることができた。
そしてマサイ族も。
このマサイ族、遠く離れた村にでも行かなきゃ見れないものかと思っていたが、ふっつーにいるのである。マサイマラが近づくと、赤い布で身を包み、耳に大きな穴があいている人々を通りで見かけるようになる。町にも買い物に来ているし、草原では牛を追っている。
そして、キャンプ場でも働いているのである。
このキャンプ場にいるマサイはいわゆる「観光マサイ」であって、ちょっと現代の文化に興味を持っているハイカラさん。なんか見てるととっても可愛いんだ。
赤い布の下には普通のTシャツとパンツを履き、ハイソックスにナイキのシューズ、腕にはデジタル時計までしている。
それでも「おれたちはマサイだ!」と誇りは高そう。
でもおまえたちは「観光マサイでハイカラマサイだ」ふふふ・・・
ある日、ゲームドライブから帰ると、キャンプ場の前で10人の「観光マサイ」が待ち伏せしていた。一人が車に乗り込んできて、キャンプ場から5分もかからない「観光マサイ」村へと向かった。村に着くと、ドライバーが言った。
「皆さん!オプショナルツアーのマサイ村見学です。行きたい人は一人500Ksh(750円)払ってください。もちろん行きたくない人(いないと思うけど)は車で待っていていいですよ」
シーーーン・・・
車には8人もの若者が乗っていた。
ドライバーは再び言った
「興味がある人だけでいいから」
ドイツ人の若者が皆に聞いた。
「おい、誰かマサイの村に興味あるのか?」
「ないよ」と皆が口をそろえて言った。
この時のマサイの顔が忘れられない。
「おい、おれたちマサイだぜ、マサイなんだぜ、興味ないってどういうことだ、おおおい」
かくして、マサイ族のプライドはさぞかし傷ついた。
でも、マサイどこにでもいるんだもん。しかもナイロビの安宿の門番もマサイなんだもん(勇敢な為か結構ガードマンなどの職に就いているらしい。これはさながら都市マサイかなぁ)。
なかなか面白かった。
エチオピアで病んだ肺はずいぶん良くなった。次はいよいよケニア山、そしてキリマン。ちょっと心配だなあ。
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