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2.スノーボード・イン・パタゴニア
3.パタゴニアへの道
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6.世界最南端の町とアフリカ病と
7.旅の終着地
8.旅もなかなか忙しい
9.世界で最も乾いた場所




 

 

Argentina>>Chile
9.世界で最も乾いた場所

 

世界で最も乾燥した場所が砂漠ならば、その砂漠の中でもっとも乾燥した場所がここアタカマであるといわれている。つまりは世界で最も乾燥した土地ということになるのだろうか。
それは、あのパタゴニアや氷河が並ぶフィヨルド、6000m級のアンデス山脈や太平洋に面する美しいビーチ、挙句の果てにはモアイの島まで所有している、とある国にある。
チリ、である。
さすが世界で最も長い国。ここには何でもある。

アタカマへの基点となる町はカラマだが、この町今まで一度も雨が降ったことがないという。カラマから、いやそのずっと手前の太平洋沿いの海岸からずーっと荒涼とした砂漠の景色が続く。
このアタカマ観光のベースとなる町はサン・ペドロ・デ・アタカマという砂漠の真っ只中にある小さな小さな村なのだが、驚いたことに、どこ見ても人人人。この人とはすなわち観光客の白人。これでオフシーズンというから、シーズン中はどうなってしまうのだろう。

南米の太平洋戦争前まではここはボリビアの土地だった。だから今でもここには白人系住民よりもインディオの人々のほうが多い。しかしツアー客は全てといっていいほど白人。南米の観光客も多数いたが、それもアルゼンチンとチリの白人。そうすると、やっぱりここは白人に乗っ取られたてしまったインディオの国なのだなあ、なんてしみじみと思ってしまったりなんかしてね。

そんなこと言いつつ、僕らがマウンテンバイクを借りたのも白人の店。それはギアが他よりずっといいから。やっぱりツアーとかアウトドアとかは白人のほうが理解あるんだよなあ、残念ながら。

MTBで一歩町を出ると、そこは湿度ゼロともいえるような乾燥しきった砂漠が広がっていた。バックパックにサンドボードを装着して、まず目指すは郊外の砂丘。
はっきり言ってバカだね、このカッコ、ウシシ。
今日はアドレナリンがビンビンです。久しぶりのダート走行、しかもバイクもいいし、絶景だし、憧れのアタカマ高地だし。

この景色の中のMTB、砂丘でのサンドボーディング。MTBとスノーボード好き来たれ!って思ったけど、いざ砂丘に到着してゼーゼー言いながら砂丘を上がり、ワクワクしながらボードを装着して、急斜面に立つと、あれ、あれれれ。
ピタッとボードが砂に張り付いて滑らないじゃないか。手で砂を押してやっと、ズル、ズズズズズ・・・こんな急斜面なのに、絵的にこんなにすばらしいのに・・
ありゃりゃ。まあ、MTBは最高なのでよしとしよう。

ここからはLicancaburという名の5916mの火山がすぐ脇に聳え立っていた。か〜、まったくやんなっちゃうよ、あの山はもうキリマンジャロより高い。
南米に来てからというもの、標高の威厳が失われつつある。
ここアタカマから行く登山ツアーがあった。それは4700m地点まで車で行き、あとは自力で800m上がり3時間で5500mの活火山の山頂に立つというもの。
これが55ドル、日帰り。たった6600円で5500mまで登れるんですよ、何てこったまったく。ウガンダのエルゴン山、4321mだって5日と120ドルもかかったっていうのに。

ともかく、アタカマ砂漠という名称も、アタカマ高地という別称も、この地形にはビンゴ。山はどこまでも高く、どこまでも乾いている。

午後は北東に7キロ離れた渓谷まで走る。この途中にプレインカの遺跡があって、入り口なんかちょっとインディージョーンズ風でかっこいい。渓谷は「MTBに最適なシングルトラック」と聞いていたからちょっと拍子抜けしたけど、両側に崖がそそり立って、そこを車も通れないほそーい道が続く不思議な空間だった。

アタカマは空気が乾燥しきって死ぬほど喉が渇くけど、自転車で走るには、かなり面白い場所だと思う。それ以上の景色を求め、明日は待望のウユニ塩湖へと発つ。

 

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