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1.水下痢のハンガーノック
2.風の谷・フンザ
3.氷河の音と、星降る夜と
4.パスー氷河へ
5.4730m、クンジュラーブ峠

 
 

1.中国政府につかまる
2.パミール高原を駆ける
3.天上の世界から下界へ
4.ロバートからの手紙

 
 

1.カラコラムのサイクリストたち
2.旅行データ
3.海外サイクリングマニュアル

 

 

Pamir Range
2. パミール高原を駆ける

 

牧歌的風景とでもいうのだろうか。田園地帯の中を進む道が続いた。パキスタンとは何もかもが違い、全てが瑞々しく見えた。途中の村で何度か水を分けてもらった。
 今日中に4200mの峠まで行く気がどうしてもしなく。キルギス人の村を見つけると、そこにテントを張らせてもらった。

夜中に物音がした。テントを誰かがゆさぶる。自転車を盗みに来たのだろうか、僕は飛び起きてナイフを握った。しばらくするとその者は去っていったようだった。
 翌朝、同じくテントを誰かがゆらした。今度は外が明るかったのでテントから出てみるとその正体はなんと牛であった。
 なーんだ・・・

   

4200mの峠を越え、中国西部で随一美しいと歌われるカラクリ湖に到着する。ここの標高はほぼ富士山と同等、今日はあいにく雨だが、晴れていればここから見える7719mのコングール山と7719mのムスダーグアタ峰が見え、それはそれは素晴らしいという。
 キルギス人のヤートの側にテントを張った。彼らはすぐに「Change? You Give me this.(コレと何かを交換してくれ、コレを俺にくれ)」としつこいが、根はいい人が多い。
 5元も払えば、小麦粉を練ってつくる、この地方独自のラグメンと呼ばれるうどんを腹一杯食べさせてくれるし、おいしくはないが塩の入ったお茶を何杯もごちそうしてくれた。

     

 

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