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Karakoram Range |
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北へ北へと道は高度を着々と増しながら登っていった。道は国境の町ソストへと続く。ボーダータウンのソストは国境の喧噪とした雰囲気。ちょっと背筋に緊張が走る。それにしても、これほど変わった国境の町もそうないだろう。ここから本当の国境までは実は80kmもあるのだ。ここの標高は2800mくらいだろうか。ここから真の国境線、4730mのクンジュラーブ峠まで標高差およそ2000m。高山病が気にかかる。 税関で日付入りの出国スタンプを押された。おかしなものだ、出国スタンプを押されようが、今日中には出国できないのだから。 ただひたすら上を目指した。作戦通り3900mの旧チェックポスト小屋の近くにテントを張った。空気はひんやりと冷たい。今日の走行時間は9時間。標高差も1500m以上、体はフラフラだが、幾度かのトレッキングが効果的だったようで、高度順化はうまく進んでいるようだ。 翌日、いよいよ自分の最高標高地点への登りが始まる。それも自転車で、だ。ヒョウが降る中峠へと向かった。大気の薄さはさして感じなかったが、立ちこぎをすると「ゼーゼー」息が切れるので30分おきに休憩を挟みながらゆっくりと進む。 この数日間走ってきた、峡谷の中を進む道は終わりかけていた。視界は徐々に開け、今まで遠く、高く感じていた周りの山々も目の高さに近づいてくるのであった。 正午を過ぎた頃、僕はおそらく世界で一番高い舗装路になるであろう、標高4730mのクンジュラーブ峠に立った。ここが今回の最高地点、辺りは一面の雪景色である。 |
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