最近飛ばしに飛ばしている。
移動していない日はないんじゃないか。ペルーのリマさえ寄らないで、移動移動でエクアドル・イン。
この国想像と違ってかなり発展しているのでびっくりした。バニョスの町で温泉につかり、火山がゴロゴロ聳えている火山街道を通り、ここキト入り。バスの車窓からは緑あふれる美しい大地が広がっていた。
キトから中米、パナマへの航空券を購入した(予想外に235ドルと高かった)。もちろん陸路で中米にいけたらそれにこした事はないけど、これは事実上不可能。パナマとコロンビアは国境を面しているものの、道がないのだ。これがDarien Gapと呼ばれる場所で、南米から中米に抜ける(その逆も)旅人は、大抵コロンビアやベネズエラ、そしてここエクアドルからパナマあたりに飛ぶのが定石となっている。
昔はそのジャングルを歩いて陸路で抜ける猛者もいたらしいが、今はゲリラの活動が活発なので危険すぎる、というか無理。
エクアドルはボリビアと同じくらい貧しい国だったらしいけど、物価はそのボリビアやペルーよりもずっと高い。快適な都市的ライフを送ろうとしたらヘタするとアルゼンチンより高いかもしれない。
なぜか?それはこの国がアメリカドルを現地通貨としているからだ。自国の通貨はもう存在しない。何を買うにもUSドル。アメリカでもないのに、これには違和感を禁じえない。まあ、両替をしなくていいってのが楽だけどね。
これは『現代用語の基礎知識』によるとドル化政策といって、「通貨下落による経済破綻を回避する窮余の一策として、2000年1月エクアドルのマワ大統領がうちだしたドル採用策。為替リスクの回避、インフレの終息、金利低下のメリットがあるものの、通貨主権の放棄を意味するドル化は民族主義的反発をまねく。軌道に乗るには外貨準備の増強、ドルが流入する投資環境が必要になるため、民営化など経済改革はさけられない。」ということだ。
まあ、インフレがなくなって、物価が上がって、それに伴い労働賃金も上がっていけば、結構なことだと思う。以前述べたように、為替の格差による世界的価値のあまりの不平等さも改善されると思うし。旅人には痛いけど、エクアドル人の水準が上がり彼らも海外旅行とかもしやすくなるかもしれないしね。
もちろん、アメリカのお金を使わせてもらってるわけだから、アメリカにもかなりの利点がないと許されるわけがない。経済的にはアメリカに指図されるがままだろうし、属国的立場になってしまうと思う。そのためなのか、この国ではやたらアメリカの製品が多い。それも他の国より安い気がする。ということは自国の産業が育つのも厳しくなってしまうのかな。
このドル化政策、なかなかいい案だと思うけど、ちょっと理解できないのは、いったいどこからこの大量のドルを持ってきたのだろうかということ。かなり距離のある他国の通貨を使っているわけだ。もちろん、エクアドルの中央銀行がドル紙幣を発行できるわけがない。じゃあ、エクアドル政府がドルをアメリカから買っているのか?だとしたら何で?ドルを買うスクレという自国通貨もすでに存在しないわけだし。
なにより、「皆さん今日から一斉にドルですよー」ってドル化政策の開始日に、どこから大量のドルを用意してきたのだろうか。
うーん、一応経済学部だったのになーんにもわかりません。だれか教えてください。
ちなみに、中米ではパナマとエルサルバドルがドルを自国通貨として使っているらしい。もういっそ、ユーロみたいに共通世界通貨ができればいいのになあ。旅人的にはそれが一番楽だ。両替屋さんも外国為替所で働く人もみんな失業しちゃうけどね。
それはさておき、インディヘナのマーケットで有名なオタバロに行ってきた。久しぶりにマーケットフォトでもどうぞ。
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