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29.アメリカへ
30.うらやましいなぁ〜
31.機上にて
32.帰国後

 

 

United States >> Japan
31. 機上にて

 

かれこれ2ヶ月くらい前から、ハイライトが終わったので帰国が近いとか、日本が近いとか、もう帰るとか書き続けてきたけど、今日、たった今、正真正銘、日本行きの飛行機に乗っている。

こんなにおかしな気持ちはこの旅のなかで感じたことがない。
今の気持ちを正直に表すと、なんだか信じられないのだ。日本に帰るということが。
飛行機には日本の雑誌があって、日本人のスチュワーデスがいて、日本字幕の映画を1年半ぶりに見て、日本茶を飲んで、周りには日本人がたくさんいて。
それでも、まだ、日本という国に本当に帰ろうとしていることが信じられない。あれだけ、もう日本に近いなあとか、日本に帰るんだって思っていたのに、いざその現実がリアルで近づいてくると、なーんか不思議なんだよね。
まるで絶対に実現しないようなことが、起こりえようとしている感じがする。
幽霊なんて絶対にいないと信じているのに、その幽霊を目の前に拝んでいるような、それでもその存在を信じられないような。
だからなんだか怖い、日本に帰るのが怖いんじゃないと思うけど、この一年と半年、全く思ってもいなかった、実現すると実感のなかった事実を目の前に突きつけられて、戸惑っているといった感じだ。
あー、吉野家食いてーなとか、ラーメンが啜りたいとか、白米と味噌汁を思う存分頬張りたいとか、そんな感情が一切ない。
なんだろう、ね。

依然、ユーラシアを9ヶ月旅して日本に帰国したとき、僕は自分の母国にしばらく馴染むことが出来なかった。
でも、今回は日本に帰ったらすぐに馴染めるだろうという確信を旅の間ずっと持っていた。その確信がこの瞬間崩れ去っていくみたいだ。
あと数時間後には間違いなく、日本の土を踏んでいるわけだし、全てが日本語で全てが慣れ親しんだ物で、もう海外も旅も正真正銘終わり、the Endなわけだ。

さあて、どうしたもんかね。

 

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