最後の国に来た。
アメリカが最後の国になるとは、旅に出たときには想像もつかなかった。想像もできないことが好きで、旅に出ているんだから、それはそれでいい。
カリフォルニアの南、サンディアゴで友人の家にお世話になった。彼は僕の前職、外資系のアウトドア会社で働いていて、その会社が日本から撤退したときに、アメリカの支社からスカウトされた。
彼もやはりアウトドアが大好きで、 朝は近くの浜でサーフィンをして、休日は近くの岩場にクライミングをしに行く。「近くの」というのはいずれも彼の家から車で30分以内。彼が住んでいるのは人口100万人の大都会。
アメリカではこんな生活が可能だ。
二日間にわたり、クライミングに連れてってもらった。ひとつはジョシュアツリーN.P.というクライミングで有名な国立公園。もうひとつは家から15分の町の公園にある岩場。この公園がまたでかいんだ。
日本とは自然のスケールが違う。自然を気軽に楽しめるという利便性も違う。どう背伸びしても日本でこの生活はできない。
最終日、僕はサンタモニカにいた。ここに初めて来たのは1992年。あれから10年以上。サンタモニカは当時と変わらず、新鮮で刺激的で、開放感に満ち溢れていた。
白い砂浜が続き、誰もが自由に使っていいビーチバレーのコートが永遠と浜に続く。椰子の木々の下、舗装された道ではいろんな人種の人々がいろんなスポーツを楽しんでいる。バスケにスケボー、ローラーブレード、マウンテンバイク、そしてランニング。 真っ赤な夕日が地平線に沈んでいった。
ちくしょー。なんてうらやましいんだ。日本とはあまりにも違う。ずるいよ!不公平だよ!
久しく、アメリカに来ることはなく、いろいろな国を旅すれば旅するほど、アメリカという国が嫌いになっていった。でも、嫌いなのはアメリカの政治的な面であって、アメリカの国そのものは大好きなんだなあ。
アメリカの偉大さ、懐の大きさを見せつけられた感じだった。
でかい、それに比べて我が国はなんてちっぽけなんだ・・・
あーーーー。
|