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28. クリスマスと大晦日

 

メキシコでクリスマスと大晦日を迎えた。(ついでに言うと誕生日まで)
クリスマスはカリブ海に面したカンクンという町に、大晦日は巨大都市、メキシコシティーにいた。

メキシコ人の大半はスペイン人の影響を受けてカソリック教徒。クリスマスはキリスト教徒の最も大切な日の一つなので盛大に祝われる。その祝い方、というか町の雰囲気が面白い。
クリスマスの一週間以上も前から、町はイルミネーションなどで飾られて、各種イベントなどがありにぎやかになる。屋台が出たり、教会の前でダンスパーティーをやってたり、何か知んないけど食べ物を無料で配っていたり、パレードをしてみたり、とにかくみんな誕生日が近いみたいにワクワクしている気分が感じられる。
クリスマスイブは特に大イベントみたいなものはなかったけど、時刻が12時を過ぎ、クリスマス当日になると、パンパーンと花火がいろんなところで上がった。
外に出て歩いてみると実にいろいろなところでパーティーが行われていた。ここで言うパーティーとは誕生日会のようなホームパーティーだ。各家庭がドアを開けっ放しにして、大きな音楽をかけて中で子供が踊っていたり、お客さんを招いていたり、家族だけの小ぢんまりとしたものだったり、実にアットホームなパーティーなのだ。
時刻は夜中の12時をとっくに過ぎていた。外にガンガン響く音楽に誰からも苦情がこないのが日本との違いだね。ラテンの人は大らかというか、ルーズというか。彼らのそんなとこが大好き。

クリスマス当日は、さすがにコンビニやスーパー以外のお店は閉まっていた。みんな教会にでも行っているのだろうか。
そして、面白かったのはクリスマスが終わってからだ。町の装飾が一向に片されなければその気配もない。いつまで経ってもクリスマスツリーはテカテカしてるし、キリストをかたどった巨大イルミネーションもそのままだ。いったい何時までがクリスマスなんですか?って感じ。
このクリスマスの流れ、ノリを引きずりながら、大晦日、そして新年へと移行していくのだ。一石二鳥のデコレーションってわけね。

大晦日は日曜日のように、お店は早く閉まってしまい、メトロも運転を早めに切り上げた。こっちにも大晦日って感覚があるんだなあ、となんだか感心してしまった。
年越しの瞬間に何かやらないのかと思って、メキシコシティーで一番広い広場(メキシコで一番かも)ソカロに足を運んでみると、いたいた、人が大勢いた。どうやら一応カウントダウンというものをするみたいとの噂。
ここでやっぱりラテンのノリだなあって思ったのは、まだ新年まで5分以上もあるのに、大勢の人から「ハッピーニューイヤー!」と声をかけられたことだ。
12時が「程近く」なると、広場に面したこの町で一番大きな教会から「ゴンゴンゴンゴンガンガンゴンゴン」と巨大な鐘の音が響き出した。それも絶え間なく。
カウントダウンでなくこれが新年の合図だったのだと思う。でも、はっきりいって、正確な12時から鳴り出したのでは決してない。日本人的には、いったいどの瞬間に年を越したのか気にするとこだが、それはわからずじまいだった。ここじゃあそんなの誰も気にしないんだろう、まあいいや、ここはメヒコだ。
みんなに混じって、僕も「フェリス・アニョス・ヌエボ!(こんな感じ?あけましておめでとうってこと)」と叫んだ。
どこから取り出したのか、みんな大形の手持ち花火を持っていて、それを天にかざしながら騒いでいた。僕らのほうにも花火売りがやってきたので、3本100円でそれを買って、メキシコ人に混じってバカ騒ぎ。

   

しばらくたって、広場横の教会に入ってみると、中では牧師が説法を並べ、みんな真剣にそれに聞き入っていた。重要なことがあるとすぐにキリストさんですね、ここは。
教会を出ると、広場にはもうそれほどの人がいなかった。以外に引けが早いみたいだ。
広場から宿への徒歩30分の間、時折遠くから打ち上げ花火の音が聞こえるものの、町はクリスマスとはうって変わって恐ろしく静かだった。

それは元旦の日中も同じだった。開いているのはコンビニと屋台のタコス屋くらい。どのお店も、マックやケンタッキーなどのファーストフードでさえ閉まっていた。
周囲に神社はないものの、ひっそりとした元日。
日本人宿で迎えた大晦日は紅白歌合戦を見ながら寿司とそばを食べた、まるで日本のような年越しだった。

 

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