ハルとのふたり旅 2018 東南アジアへ行く #04 ベトナム編

Day13
久しぶりにゆっくり起きてゆっくりと朝食。運動したいとハルに誘われてメコン川に出かける。昨日の夕方は涼しかっけれど今朝は暑い。10:30までしか王宮が開いていないので中に入ってみようと誘ったのに、昨晩見た遊具が気になるらしく却下された。
川沿いの遊歩道に韓国でも見た自分で軽く運動するフィットネス機器があり、興味津々らしい。僕も全てやらされた…

二人して汗だくになったので市場に行ってコーラを飲んだ。市場を歩く、やはりどこの国も市場は楽しい。ここで初めて見たのは沢蟹のような小さなカニ。どうやって食べるのだろか。サイクルリキシャもよく見かけ、その存在が意外だった。

道路が舗装され、ビルが建ちコンビニができ、スマホが普及して、外資が入り猛烈な勢いで成長軌道にのるカンボジア。以前に来た時から16年も経ったのに、依然ストリートキッズもいるし、アンコール前で10枚1ドルのハガキを売り続ける子どもは健在だった。経済成長し、発展して、当時の子供たちがもはや大人になる中、その負の部分は昔のままでびっくりもした。15年、20年あれば国はガラリと変わるはず、とくに途上国なんてなおさらだし、インターネット、スマホ前後でも相当な差があるであろう。それでもその部分だけは時間が止まったようだ。Tシャツはいまだ1ドルで売られ続けている。

カンボジアは街に巨大なバスターミナルがないので、仕組みがわからない。いくつかの場所でホーチミン行きのバスの料金を聞いたけど、18ドルや12ドルとまちまち。宿で買うとなぜか10ドルと聞いた中では最安でいいバスだよと言われたので、買ってみることにした。結果はローカル感満載のボロバスだったけれど、18ドルでも結局は同じバスだったかもしれない。

ここから隣国ホーチミンにまでは6時間で結ばれる。それは隣国に行くとは考えられないほどの気軽さで、日本人の我々には到底理解できない土地勘になるのだろうな。バスにはベトナムと書かれず、ホーチミン行き、と書かれているのが感慨深い。国境での乗り換えもないらしく、そもそもバスの国籍がベトナムだった。よく見ると乗務員さんの服装や雰囲気が若干カンボジアとはちがう。

国境超えインターナショナルバスなのに10ドルと格安なそれは、これまでのバスよりもかなり順調に進み、2箇所ほど売店で止まってすぐに国境についた。ビザも不要でパスポートを出すだけ。あっさりと手続きは終わり、超えてしまったベトナム側でバスをまっているとそれはすぐに来た。

こうしてハイライトと思っていた国境超えイベントはあっけなく終わった。ハルが国境を超えたことについて、なにか感じたのかどうかは後にならないとわからない。

プノンペンを出たのはお昼だったので、時間どおりでもベトナムに着いた頃にはすっかり暗くなっていた。バイクタクシーが待ち構えてきたけれど、行き先を言うとぼってくる彼らに対して、バス会社の人が高すぎだよー、それなら2ドルでも妥当だろうよ!的に怒ってくれた。
ボリオさんタクシーには乗らないことにして、ストリートで拾う。すごい曲芸のようなバイクタクシーだった。ベトナムっぽいね。

ベトナムのカオサンに宿をとり。まずはATMでお金をおろす。通貨の桁がものすごくて、勇気を出しながらOKボタンを押した。それからSIMカードを買って携帯に挿した。大音量の音楽が鳴り響く旅人ストリートなのか、六本木なのか、良さげと思って入ったベトナム料理やさんは質も量も程よくて、大人的には素晴らしかった(二日後に一人でリピートした)。生春巻きに饒舌をうつなか、ハルは白ライスのゆかりご飯を食べていた。

Day14
ベトナムの朝は早い。
7:00前に親が子どもを学校に続々とバイクでドロップしていく。
路上の昔ながらのコーヒーショップに入って、ベトナムコーヒーのアイス版を現地の人に混ざって飲んで、通りの喧騒を眺めた。市場を歩いて珍しい何かを探す。そろそろハルが起きちゃうかな、と慌ててホテルに戻った。

さて、どこに行きたいか、と彼にカンボジアで聞くと、海に行きたいという。タイでもカンボジアでも海はあったけれど、時間が読めるベトナムで最後に行くのがいいのかなと思った。いくつか手頃で素敵なビーチが検索すると出てくるけども、もっとも簡単なのはブンタウという地元に人気のビーチリゾートらしかった。最後だからと5スターのホテルを予約した。行ってみるとなかなかの5スターっぷりだった。

ホーチミンからは渋滞を避け、川をたどるフェリーに乗ってブンタウへ。
ホテルのプールで泳ぎ、プライベートビーチで泳ぎ、さらにプールで泳ぎ。
この人どんだけ水が好きなんだ。でも好きな水物に来られて良かったねーと親ばかとしては微笑ましく眺めてしまった瞬間であった。

夜は屋台にスーパーに連れ回し、ベトナム鍋みたいな食べ物を一人楽しみ、ハルは結局ゆかりご飯。というかレストランで疲れ果てて寝ていた・・・・・親に引きずり回される2週間。

Day15
最近疲れ果てて起きてくれない息子を横目に、朝は一人でランニング。

今日は土曜日だったのだが、海岸は朝7:00から海水浴の現地の方々で賑わっていた。我々はというと、立地なホテルご飯を食べてからずっとビーチへ。ローカルな水系遊具で現地の子どもたちに混じってひとり永遠と楽しそうに遊ぶハル。見てるこっちも微笑ましかったよ。

ホテルをアウトして、昨日と同じ水上フェリーでホーチミンに戻り、スコール中はのんびりして、雨が止んだら散歩をした。古い郵便局やロイヤル的な建物、マーケットの周りなど。夜ご飯の時間を待ちきれずにハルは値落ちした。一人で食べてくるよ、と伝えるとどうぞとのことだったので最後の晩餐は一人でベトナム料理を食べた。何本かサイゴンや333を閉店時間まで飲んでいい気持ちになって眠りについた。

Day16
タクシーで空港へ行こうよ、というとバイクタクシーのほうが値段が半分以下だし、雨が降ってないからバイクのほうがいいよとすっかりバックパッカー的金銭感覚となったハル。グラブというアプリでバイクを呼び、空港へと向かう。アプリ経由だと値段はこれまでの交渉した価格の1/2程度だった。恐るべし現地価格。空港は遠いし、二人乗りだし、チップをふんだんに渡してお別れした。

はじめは正直退屈だった東南アジアの旅は、旅が日常となってからはとても楽しめたと思う。24時間ほぼずっと息子と二人きり。息が詰まることもなく、日々彼の成長というか適応と変化を見られる道楽の時間だったと思う。

『スラムダンク』安西先生のセリフが頭に浮かぶ。
「道楽………
 道楽か…そうかもしれんね」
「日一日と…成長が はっきり見てとれる
 この上もない楽しみだ」

「アンコールワットが楽しかったから、また来年来ようね。花もママもつれてね。」
と彼は言った。
もちろん来年来ることはないけれど、いつかまた一緒に来れたらいいね。

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