金井山、釜山、トレイルランニング

今回の旅のターゲットは3日目からの智異山だったので、到着翌日は午後の移動の前にお手軽ランを、というプランになった。

新羅の頃に築かれた韓国最大の城壁が連なる金井山というエリアがある。釜山の町からすぐ、というより釜山の町の中にある山である。我々は街の北側に宿をとっていたので、スタートとなる地下鉄の駅まで20分ほどしかかからなかった。
Beomeosaという駅を降りて、ロードを走ると比較的すぐトレイルの入り口が見つかる。近所のおじさんやおばさんが散策に来ているような町の中の丘というような位置づけだろうか。街の中だけあってトレイルは網の目のように張り巡らされ、何度か道を迷う。竹林があり、土と岩がミックスされた路面に落葉した松の葉が載っている。600mの小高い山頂に立つといくつものケルンが積まれていた。ススキも穂を垂れ下げ、ここが日本の山と言われれば信じてしまったかもしれない。

しかし周囲がひらけた場所に立つと右も左も眼下には無機質なアパートが広がった。やはりここは韓国だった。稜線は風が強く、露出した腕はピリピリと冷えた。800mの金井山山頂へはスタートから2時間。直登にアップダウンが続き、ほぼ走れなかったのでトレイルランニングスタイルながら、なかなか時間がかかってしまった。まあ今日は翌日への足慣らしなので、そもそもガチで走ってはいけないのだ。

山頂へは立派な階段が続き、頂上には丸い石碑が立っていた。これはその後の山でも見かけることになるので、韓国で統一された主峰に置かれる目印なのだろう。平日というのに山頂は賑やかで、なぜかたくさんの猫がいた。
かなり北側から歩き始めたので、ここからが城跡ルートの主要なトレイル。山頂から南へ連なる城壁の景色はなかなかオツなものだった。この城壁に沿って南へと進むことになる。最高峰を過ぎて、標高を下げ森林帯に入り風もなくなったためか、半袖でも汗をかくような陽気となった。

「韓国の万里の長城」とガイドブックに書かれていたけれど、そのスケール感は到底中国のそれには及ばない。城壁もオリジナルというよりは再建されたような新しいものが目立った。いくつかの立派な門をへて道は続く。南に進むに連れ道幅も広く起伏も少なくなり、走りやすいトレイルが続く。見晴らしのいい丘に上がると決まって眼下にマンション群が見えた。まさに都会の中の山である。南門を過ぎるとロープウェイの山頂駅に着く。もちろんここでロープウェイに乗るわけにはいかない。ここからはかなり路面が荒い、雨だったらツルツルと滑ったであろう石の急峻なトレイルが標高を一気に下げる。ここでも何度か迷ってしまい、バスの時間が迫っていたので必死に下ることになった。下界が近づくと公園が現れ、市民が散歩をしたり読書やラジオを聴いてたりのどかな森の光景が広がった。

ロープウェイの山麓駅にはたくさんの学生。ここから近代的な町を1km抜け、温泉場駅に着く。この駅の名前の由来である温泉もしくは足湯につかってみたかったけれど、今回はタイムアップのため断念である。いつかまた来られるかな。

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