ちょっと毒かなあ。
すばらしい写真が好きだ。
写真を撮るのも好きだ。
National Geographicで掲載されたような、すばらしい秘境・辺境に行くのも好きだ。
写真家は美しいモノを写す。
もちろん、その方が感動するし、ぐっと心に残る。
それでいいと思う。
でも良いところや、悲惨なところ、強調したいことにフォーカスしすぎて、もしかしたら真実を伝え切れていないのでは、と思うことも多々ある。
僕だって、写真を撮るときは、ファインダーの中に、醜いものが入らないように工夫する。電線はとるし、人は入れないし、ゴミだってはぶく。
たとえ、すばらしすぎる景色の隣に、見た目的にひどい場所があったとしても、だ。
針江大川が琵琶湖に注ぐ場所を見に行った。
今森さんの写真では、そこは草木がモリモリとし、川幅が広がり、うっそうとするような素敵な自然の景色。
美しい場所。
写真を見たら来たくなるかもしれない。
すごい自然豊かな田舎を想像するかもしれない。
が、しかし、もしもこの写真に写っていない場所も見えていたら、果たしてここに来たくなっただろうか、と思うのだ。
リゾート会社なのかわからないけど、この地区は完全に開発の中にいた。
後ろを振り向くと、アメリカンなログハウスだらけだったらどう感じるだろう。
「風車ニュータウン」という名前のリゾート地。異様な開発で、まるで日本には似つかわしくないログハウスが建ち並ぶ奇妙な光景だ。
果たして、
写真は真実を伝えられているのか、
と思うのだ。