信越トレイル、というとトレランをやっている人はすぐに「信越五岳トレイルレース」を思い浮かべてみてしまうみたいだけれど、そっちではなく、日本のロングトレイルの草分け的な信越トレイルの方に行って来た。前からずっと行きたいと思っていて、今年こそと思い、調べてみると。どうやら普通に歩くと6日かかることが分かり。じゃあ、4日くらいで早歩きしようかと思ってみたものの、4日も忙しくて休めないのも分かってきて。じゃあ、走っちゃうか、2日で。と、またせっかちな悪いクセ。
飯山駅までは車で。朝8:05のコミュニティーバスに乗り、斑尾高原へ。ここからスタート。
最初は斑尾山に登り、しばらくはそれこそ信越五岳トレイルレースのコースと同じ。斑尾50kmのコースへと分岐し赤池へ。ここからようやく未知のゾーン。美しい湿原を進み、カエルの声や鳥のさえずりをたくさん聞き、多くの虫たちで生命力を感じる。
昔ながらの峠に出て、田んぼを走って集落へ下り、針葉樹の生活感のある森へ。
最後は原始の森かと思ったくらい、大きな葉っぱのホウの木がメキメキ生えているエリアへ踏み込み中間地点の戸狩温泉へ。なんでも、冬が長過ぎて、短い期間で成長しようとがんばるので、葉っぱが大きくなっているのだとか。
夕方の戸狩温泉もそれはそれは美しい田園風景。
おいしいご飯を頂き、温泉に入り、虫やカエルの声を聞き涼んでいると、もういいのではないかと思ったほど。
翌日は疲労感もあり、晴れて暑さもあり、前半は稜線上で日光を直接受け、序盤からばて気味。
それでも森はどこまでも美しく、どこまでもブナが続いていた。
ここ、鍋倉は豪雪地帯として知られる場所で、あまりにも雪が深く、強く太く、粘着性のあるブナが必然的に生き残っていくことのことだった。
「こんなに美しい場所があるんだなあ」と連れの真也が何気なく言った言葉がずっと耳に残る。全長80km、ずっとずっと美しく変化に富んでいて、尊い森。たしかに、こんなところが日本にあるのだなあと思った。
暑いので雪解け水を汲み、雪があればそれを食べ進んだ。二日目のトレイルはなかなかワイルドで、思ったように走れない。
数々の峠を越え、辿り着いた天水山。あまみずやまと読むこの山の麓につくと、開けたブナ林の中に、一筋の道が頂上へと続く。疲れや、これまでの行程の長さも相まってなのか、なんだかとても神秘的に感じたのであった。
この頂上に着いたのが18:00。
もちろん、一方通行の旅なので、しっかりと駅まで走るのである。これがなめてたのか、何も調べてなくとてもとても長い道だった。駅に着いたのは19:30で終電の5分前!
飯山駅まで1時間かけて電車で戻り、無事全線コンプリートの充足感溢れる旅となった。
距離:78km
標高差:累積上昇 – 5401m / 下降 - 6131m