フェリーから降りて、スキーヤー・スノーボーダー御用達の宿、レラモシリへと向かう。届いている荷物を開けて、ウェアを身につけバックカントリーの準備をして宿を出たのが9:15。昨日の夜に出発したばかりなのに、ちょうど始業の時間くらいにはこの最果ての地で滑る用意ができているという不思議。
今日は北斜面。頂上アタックの可能性もあるということで、クライミングハーネスを身につける。これから3日間は、利尻島に1人しかいないという唯一無二の山岳ガイド渡辺さんにガイドを依頼してあった。
北側の道路を上がり、野営場の道のドン付きまで車でのアプローチ。そしてそこからは、利尻ならではのスノーモービルでの移動。
ほぼフラットの移動なのだけれど、これで2時間くらいの歩行時間を短縮できるという。
斜面の取り付き部分から歩行開始。船では頂上が見えていたのに、急にガスってしまって何も見えなくなった。そんな中、とりあえず1時間ほど、800m地点まで上がるが周囲はまったく見えないまま。このままでは上部の急斜面は滑れないし、上部に行ってもこれだと、板を担いで移動することになるということで、ひとまず降りることになった。
全く見えないので、まるで無重力の中を滑っているような、船酔い状態の滑降。
なんとかモービルまでたどり着き、場所を変えてポン山というポイントに向かうことに。
ポンとはアイヌ語で低い山らしい。その名の通り、低い。そしてガスはない。
ポン山を登り、まずは上部から東寄りの斜面を一発。気温が低いためか、板がよく走るし、斜面もそこそこあって非常に気持ち良い。そこから登り返しとなるが、海の見える気持ちい登り。いやー、なんて景色だ。
ポン山頂上へあがると、さっきまでのガスは飛び、利尻岳の山頂が一瞬見えた。
ここからは北斜面を滑る。斜度もあるし、眼下は海。低い山のくせに、かなり最高のシュート。
憧れの大斜面を滑降とはならなかったけど、横浜を出た翌日に利尻の山中を滑れているわけだし、天気は悪くはないし、斜面も雪も最高と、いい滑り出しとなった。
温泉入って、夜は居酒屋こぶしで海の幸。これはバチがあたるよな、きっと、と誰もが思ったのであった。