昨日、リビングワールドの西村さんをお呼びし、セミナーを開催した。
お題は五感で共有するということだったのだが、非常に素晴らしい時間を過ごすことができたなぁと思っている。
西村さんは、世界中の音を通じて、空間を共有するというプロジェクト・サウンドバムや、風を可視化する風灯などとてもユニークな仕事を数多くされている。
たった1時間半のセミナーだったけど、多くの斬新な視点を頂き、またすばらしい時間をまさしく50人の参加者と共感したと思う。
サウンドバムを知ったのは、実はこのウェブサイトをつくっていたとき。旅バムと検索すると、旅バムのいくつか下にサウンドバムとヒットするのだ。なんだろうなあ、と思ってウェブサイトを見たのがきっかけだった。
そして、こんな人に会いたいと思ったのは、リビングワールドのウェブサイトで、西表の今の音を聞いたとき。
これは衝撃的だった。
僕は世界を、日本をいろいろ旅している。だから一層に、今この瞬間もアフリカでは子どもたちが笑っているんだろうな、パタゴニアの氷河は爆音をたてながら崩れているのだろうなと、世界中のこの瞬間に思いを馳せることがある。でもそれはあくまで想像の世界だ。
その思いを、完全に具現化したのが、このプロジェクトだと思う。
いまこの瞬間の西表島の音。
今日は、自分が常日頃思っていたことが、想像ではなく言葉として整理された与えられた感じとなった。目からうろこ状態だった。会いたいなと思っていた人に、このように関われ幸せだなあと思う。
特に印象に残っているのが、人間一人ひとりの宇宙や可能性についての話。「僕らはあまりにも二次情報に囲まれすぎて、どんどん自分たちで壁を作って、ひとりの人間としての宇宙を小さくしてしまっている」と西村さんは言った。
田舎に住むおばあさんは、山の向こうの雪解けの音を聞こうとするし、昔の人々ははるか離れた山の噴火の音に耳を澄ましたと。僕らは二次情報を与えられ、知った気になっているだけなのだ、と。
不思議に思ったら、まずは行動してみる。自分でそこに出向いて、触って、感じて判断する。今までやってきたことは間違いではなかったのだ。もっともっと、好奇心をもって、いろいろなものにリアルに自分自身で触れていきたいと思う。