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NOTE powderではないが、例年、締めとする富士山バックカントリースノーボードのレポート。 今年はパウダーガイド社の友人に誘われて、11名という大所帯で登った。大御所的な人もいて、玄人軍団でいろいろと勉強になった。 7時富士宮口発。さすがに冷え込む。6合目までは砂利道を行くが、一部凍った道もある。今年はアイゼンを持ってきていないので、早く暖かくなってくれることを願いながら歩く。 6合目を越えると、ちらほらと雪がついてきた。6.5合くらいからはもはや雪。急な斜面で誰の足跡もないと、つま先を蹴り込まなければならず、なかなか油断ができない。ぽかぽかの陽気で、インナーだけでも暑いと思っていたが、さすがは単独峰、それも日本一。8合手前でついに、風が来た。ブリザードのような風が、時折来て、ボードを揺さぶる。風がきたら低姿勢で風が去るのを待つ。風がやんだら駆け上がる。そんな調子で進んだ。 8合を越えると、雪が硬くなってきて、斜面も急になってきたので、先に進んでいる人がきってくれたステップを踏みながら、進む。やはりアイゼンが必要だったな、とつくづくと思った。 9合についたのは11時。雪が程よく溶けてきた。いいぞ、いけそう、とうれしくなる。 5時間後、無事日本最高峰に到着。鳥居の半分くらい雪で埋まっていた。今年は全体的に雪不足だったが、寒い春で、春にたくさん雪が降ったので、例年より雪もちがいい気がする。しかも2日前に新雪が降ったようで、いつもなら雪の上にちりばめられているスコリア(細かい溶岩)もなく、なんとも気持ちよく滑れそうだ。 1時過ぎ、日本最高峰から海を臨みながらのダウンヒル。もーさいっこう! 脇にたくましい溶岩を添えながら、広大な一枚バーンを海と雲海を見ながら滑る。 6合目から再び歩くと、川の音が聞こえた。富士山は川がない山として有名だ。溶岩質のため、水がすべて下に浸透してしまうのだ。 雪解け水が多いこの時期だけ、聞こえる音。それは春の音だった。 |
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