旅の4日め、ブータン3日は東から西へ引き返す旅となる。
ブータンは東西に長い国で、それでも九州と同じ大きさしかないので、全体の距離は推して知るべしなわけだが、国際空港と首都はかなり西の方にある。なので、西からどこまで東に行って引き返すか、というのが旅行の日数や目的によって変わってくるのだが、この行程で行けるのは民泊したポブジカが限界ということだった。
東に行けば東に行くほど、古いブータンらしさが残っているらしい。それは日本も一緒だけれど首都や町になると、世界中似通ってくるのと一緒で、そこから離れると昔ながらの良い所が残っているらしいのだ。
今回は残念ながら、1/3ほど東に来てその最東端であるポブジカからは来た道を引き返した。再び道は山の中。ただ、相変わらず景色は絶景。中間地点のワンデュまで3時間、その先首都ティンプーまで3時間。
その首都ティンプー。なんと今日は「No Car Day」だった。街の外の駐車場に車を止めて、そこからはバスやタクシーで街に入らなければならない。王様や首相もちゃんとじっとしていて、首相はマウンテンバイクで通勤しているとのこと。タクシー儲かるねと言ったら、タクシーも今週は奇数ナンバー、来週は偶数ナンバーというように決められていたりもするらしい。もちろん、環境に配慮しての決め事だと思うけど、こういうことがサクッとある意味トップダウン的に決まってしまうのがブータンのすごいところなわけで。
どこまで合っているか、わからないけど、この旅行中に聞いたブータンならでは的な面白い話を簡単にまとめてみよう。
・輪廻転生。ブータン人は輪廻転生を信じまくっているから、今を生きる。さきのことはあまり考えないで、ラテン人のような感じらしい。貯金もしないし、好きなモノをローンで買っちゃう。今が大事。早く死んだら、それだけ早く来世に行けちゃう、というポジティブシンキングもいるみたい。だからローンでみんな家買っちゃって、こりゃヤバイと今年の春からローン自体が一斉禁止・・・
・No アルコールデイ
火曜日はNoアルコールデイで居酒屋やバーみたいなお店は軒並み閉店。なんで、と聞くと「なんでだろうね、決まったから」とガイドさん・・・
・タバコ禁止
タバコは健康に悪いということで、数年前に一斉に禁止。インドから買ってくる人もいるらしいけど、とにかく禁止。
・信号
ブータンには信号がない。車は増えてきたけど、信号はない。首都に一つだけあったのだけれど、先代の王様がブータンには似合わないんじゃないかな、とポソリと言ったら撤去されたらしい。ということでブータンには信号がない。
・野菜
ブータンでは国の産業の80%が農業。なのに、インドから安い野菜がたくさん入ってきている。聞くと、ブータン人は怠け者だからねえ〜とのこと。ただ、これはダメでしょ、と政府からお達しが出て国内野菜自給率100%条例的なものが先週決まったらしい。
・インド人
チベットからダライ・ラマが亡命するときは、実際にブータンを通ったのだという。それほどチベットは近いし、国内に帰化したチベット難民も沢山。仏教的な繋がりも強い。なので北の中国は警戒し、南のインドと仲良くしている。でも、なぜかブータンの人々はインド人を見下している感じがあるらしい。肉体労働はインド人の仕事と思っているらしい。首都ティンプーの失業率は20%以上。建設ラッシュのため肉体仕事はたくさんあるのだが、インド人の仕事と決めつけて、その職にはつこうとしないらしい。
実際に建築現場の脇を通った時に、ガイドさんが「あれみんなインド人」と言うので「なんで?」と聞くと「インド人はねー、ああいうの作るのうまいの。だかだよ。あとやっすいの」という答えが返ってきた・・・
・誇り高き人々
ブータン人はすごく誇りが高い、というのは本でも読んだし聞いた。
そして英語を話せる我がガイドさんが白人と話しているときに「オレはとてもうまく英語を話せるわけだけど・・・・」と話していたのを聞いた。謙虚な日本人にはなかなか言えないことだ・・・
と、こんな面白いブータンなのです。