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01.Warm heart of Africa
02.天空の孤島、ムランジェ山
03.貰ったお札は1700枚
04.環境問題
05.沈没天国、ハラレ
06.無人のトレッカーパラダイス
07.ブラックアフリカ一、壮大な遺跡?
08.ビクトリアフォールズ
09.カラハリ砂漠の宝石、オカバンゴ
10.天空の王国
11.アフリカ民族最終回、ヒンバ族
12.アフリカ病−第二ラウンド
13.Cape of Good Hope

 
 
 
 

5. South Africa
mail_12 / 6th,AUG,2003 @ Windhoek : NAMIBIA
アフリカ病−第二ラウンド

 

体が弱いと言われればそれまでだが、再び病気に犯された。今回のはかなり重い。
始まりは「歯」だった。
南アフリカのクルーガー国立公園を訪れているときである。歯の奥がズキズキと痛み出したのだ。親知らずだった。まあ、ほっとけば治るだろう、と簡単に考えて、何もしないことにした。
その5日後くらい、レソトで馬に乗っている時に、今度は頭痛に熱。そして奇妙なことにお腹に赤いスポット、大きい虫刺されのようなものができていた。
毎日夜になると、きまって体が熱くなり、熱が出た。体が熱くなり汗をかく。なのでこの病気を「夜ヒート病」と名付ける事にした。
ケープタウンに着くころには、たまらなく歯が痛くなっていたので、保険も効かないのに歯医者に行った。親知らずの根元が何かに感染していて、抗生物質を呑んで細菌を殺してから抜歯することになる。相変わらず熱が出ていたが、歯医者さん曰く、熱も奥歯からきている可能性があるとのこと。

熱は平熱が37℃、夜になると38℃近く出ることもあったが、他の病院には行かず、歯が抜けるようになるのを待った。そして歯を抜いた。ちなみにこの親知らず、英語ではWisdom toothと呼ぶのだ、賢い歯、日本語とは大きな違いだ。
歯医者さんは美人の若い白人女性で、腕も確かで手術自体はとても簡単なものだったが、歯を抜くと下がると思っていた熱が、逆に上がった。この日も翌日も38℃オーバーの高熱。もう一週間以上も連続で熱が出ていることになり、原因は歯ではなかったということになる。

医者に行こうとも思ったが、歯を抜いた三日後の朝、これまでになく調子がよかったのでナミビア行きのバスに乗ることにした。何より、もう南米行きの航空チケットを買ってしまったので時間が迫っていたのだ。予定外にケープタウンで1週間も静養してしまったのだから。しかし、今思えばこれが無謀な判断だったのだ。
「夜ヒート病」なので、またしても夜になると熱が出た、今度は39℃+、そしてバスの中・・・ナミビアの南、グランドキャニオンに次ぐ世界第二の渓谷、フィッシュリバーキャニオンに行くのを断念し、首都ウィントフックへと向かった。
この夜が一番つらかった、急激な熱、夜行バスの中、国境越えではこんなときに限って執拗な荷物検査。ガタガタ揺れるバスの中でぼんやりと外の星を眺めた。人間海外で病気になるとつくづく弱気になるもんだなあ。

ウィントフックに朝着き、早速病院に行く。マラリアの検査を受けただけで、結果はネガティブ、熱さましだけもらって帰された。もう一週間以上も熱が出ているというのに、こんな調べ方でいいのだろうか。原因がわからないまま、ホテルで4日ほど静養した。
熱が出ない日が続いたので、北西部に観光に行くことにした。
こうやってすぐ調子に乗るのが自分の悪い癖。
そして北西方面に出発して4日目、38℃の熱、翌日は39℃、これはやばいと思ってウィントフックに戻ると40.5℃。翌日やっと医者が200ドル分の多種多様の血液検査をしてくれた。彼は、肝炎Bに違いないと言ったが、結果はネガティブ。いくつかの血液は南アフリカに送られた。

その後も39℃、38℃、39℃、40℃と毎日毎日熱が出る。熱さましの薬も効かなくなってきた。この病気の不思議なところは、昼は至って平気なのに、夜から朝にかけて熱が出るのだ。
まさに夜ヒート病でしょ!
一週間も38℃以上の熱、もう最初に熱が出てから20日以上も熱が出続けている。これは、素人目から見ても尋常じゃないと思う。ちょっとやばいなあと思う今日この頃。
一番のナミビアのハイライト、いや南部アフリカ一番のハイライト、ナミブ砂漠を諦めることにして四度、ウィントフックの病院に行く。まあ、人生とはこんなものだ。ところで、このナミビアの首都、とことん医療事情が悪い。
初診はマラリアじゃないとわかると熱さましだけもらって帰されてしまったのはもう書いた、二回目に40℃の急患でドクターを呼んでもらうと、「熱くらいで何で急患でくるんだ」と怒られる。このドクターは翌日から2週間の休暇で、他のドクターに電話して引継ぎしておくと言ったのに翌日引継ぎはなく混乱。違うドクターはドクターで、午前中に診察して「検査結果が出てないから午後の3時半に来てください」と言われたままに午後行くと、彼は午後は休診ですとナースに言われる。
もう「ハー??」である。
じゃあ熱さましの薬だけくれと頼めば、ドクターは誰も今いないから無理です、という始末。医者ほど信頼できないものはこの国にないなあ。

昨日、南アフリカに送られた血液が返ってきたので4度目の病院に出向いた。結果はついに出た。病名はTick Bite Fever
Tickってねえ、なんだと思います。ダニですよ、ダニ。かあ〜、死んじゃったらどうしよう、とまで思ったあんなにつらい病気が、実はダニ!
かっこわり〜、どうせならマラリアがよかったよ。しかし、このダニ病かなり強力でひどい、アフリカのダニ、恐るべし、だ!

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